01/16/05

児童買春・ポルノ禁止法3(刑法20)事実の錯誤、法律の錯誤

前回のコラムで見たとおり、18歳未満の児童に対する売春やその他の行為が処罰されるのですが、そうなると、私たちの実務でよく問題になるのは、「少年が18歳未満であることを知らなかった」のに処罰されるんですか?と質問です。
  「そんなことを言ってるとみんな無罪になってしまうよ!」
というと、
  「いや、こちらから聞いても、少年はも20歳ですと言うものだから、こちらが騙されたようなものです」
  「私の方こそ被害者ですよ〜!」
と、言われたこともありますが、そうなるとややこしいですね。
刑法の理論では、故意があったときだけ処罰することになっているのですから、素人も(と言ってもそういう業者・・不良は本当は学校のお勉強は苦手だった筈ですが、・・・・)法の原則には、結構詳しいのです。
さあ、どうしましょう?って所です。
刑法を見ましょう。

刑法
  第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
  ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった   者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

刑法での難しい問題に「事実の錯誤」か「法律の錯誤」かと言う議論がありますが、年齢を誤解した場合はどちらにあたるのでしょうか?
話が横に行きますが、この機会にホンのちょっと詳しく紹介しておきましょう。
法律の錯誤と言うのは、上記条文の3項で書かれている、「そんな法律があるのを知らなかった」と言ういい訳です。
刑法の条文を知らなくとも泥棒や人殺しをしてはいけないのですし、道路交通法を知らないからと信号無視やスピード違反をしてはいけないのは当たり前ですから、第3項の条文は至極まっとうなことを書いているのです。
よくある例では、狩猟仲間を熊やイノシシと間違えて撃ってしまうなどがありますが、こういう簡単な事例では法律を誤解した(人を撃って殺してはいけない法律あるのを知らなかった)のではなく、その前提となる人か熊かの事実の錯誤、すなわち殺人の故意がないことになることは誰でもわかりますが、境界的な事件になるとその区別は難しくなってくるのです。
次のコラムで事例を少し紹介しましょう。



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