01/07/05
商人とは9(商法24)商行為
ところで当時の商人は、(商人という言葉すらなかった可能性がありますが、蜂須賀家や、海外貿易をしていたような業者という意味です)どういう事をしていたのでしょうか?
現在の商人の定義については、04/09/03「素人(消費者)とプロ(業者=商人)の違い(商人とは?) 3」前後のコラムで商法を援用しながら、紹介しました。
商行為には、絶対的商行為と営業的商行為があることは、上記各コラムで紹介しましたが、もう1度絶対的商行為の条文を紹介しておきましょう。
商法
第501条 左ニ掲ゲタル行為ハ之ヲ商行為トス
1.利益ヲ得テ譲渡ス意思ヲ以テスル動産、不動産若クハ有価証券ノ有償取得又ハ其取得シタルモノノ譲渡ヲ目的トスル行為
2.他人ヨリ取得スヘキ動産又ハ有価証券ノ供給契約及ビ其履行ノ為メニスル有償取得ヲ目的トスル行為
3.取引所ニ於テスル取引
4.手形其他ノ商業証券ニ関スル行為
商人は第1号にあるとおり、「儲けを前提に仕入れて販売する」のが基本です。
商人というと江戸時代の歌舞伎や物語の影響で、「前垂れかけてぺこぺこした様子」ばかり思い描く方が多いと思いますが、それは最終段階の販売の模様を描いたものでしかなく、「仕入れて売る」商人と言うよりも、その末端で働く販売員の世界です。
戦国時代までは、まだ、都市化が進んでいなかったので店を構えて、従業員が店番しているような小売商人というのは殆どいなかった筈です。(ゼロに近いでしょう。)
「飲み屋、食べ物屋くらいはあったろう」と言う意見があるでしょうが、こうした商売は、商行為の基本ではなく、501条の絶対的商行為には入っていないのです。
飲食業や、旅館は、営業的商行為と言って、本来は商行為ではないが、営業としてやるときにのみ、商行為と認められる性質のものなのです。
営業的商行為を紹介しましょう。
第502条 左ニ掲ゲタル行為ハ営業トシテ之ヲ為ストキハ之ヲ商行為トス 但専ラ賃金ヲ得ル目的ヲ以テ物ヲ製造シ又ハ労務ニ服スル者ノ行為ハ此限ニ在ラス
1.賃貸スル意思ヲ以テスル動産若クハ不動産ノ有償取得若クハ賃借又ハ其取得若クハ賃借シタルモノノ賃貸ヲ目的トスル行為
2.他人ノ為メニスル製造又ハ加工ニ関スル行為
3.電気又ハ瓦斯ノ供給ニ関スル行為
4.運送ニ関スル行為
5.作業又ハ労務ノ請負
6.出版、印刷又ハ撮影ニ関スル行為
7.客ノ来集ヲ目的トスル場屋ノ取引
8.両替其他ノ銀行取引
9.保険
10.寄託ノ引受
11.仲立又ハ取次ニ関スル行為
12.商行為ノ代理ノ引受
飲食業はこの条文の何にあたると思いますか?
ちょっと難しい問題ですが、第7号の「客ノ来集ヲ目的トスル場屋ノ取引」に該当することになっています。
この種の取引は、だれでも思いつく遊園地や映画館などの外、浴場、旅館、飲食店などが入ると言われています。
理髪店に関しては、学説はこれに入れるようですが、判例は、「入らない、単なる請負契約」だというらしいです。
ただし、この判例は昭和12年のことですから、最近の美容店などは、きれいにして、居心地良くしていますので、今でも判例の効果が及ぶかどうか考えてみると興味がありますね。
その他の項目も紹介していけば面白いと思いますが、法律ばかりでは飽きるでしょうから、また別の機会に話題になれば紹介しましょう。
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