01/04/04

登渡(とわたり)神社(地名を大切に)

ところで、神社名は「とわたり」と読みますが、この地域の地名は、昔から登戸(のぶと)と言いますし、(JR千葉駅が移転してきてから、約半分の地域が「新千葉」と言う地名に変わりましたが、新千葉も元は登戸だったのです。)同名の京成電鉄の駅もありますので、殆どの人は登戸(のぶと)神社と思っているようです。
こうした違いはあちこちにあるようで、宇都宮に住んでいたときには、二荒山神社がありました。
よそ者には、日光さんの旧式あて字かなと思って「にっこう山」と読んで見たのですが、地元の人の話を聞いていると、「ふたら山」と言っているのです。
また、千葉では、花見川という川があり、そこの周辺地は検見川町といい、駅の名前も検見川というのです。
万葉時代、或いは地域によっては、かとけの中間音があったようですし、「花」を呉音では「け」と読むので、同じく「け見川」と読むのかと思っていると、やはり「はなみ」川と読むのでした。
こうした違いは、皆さんの身近にもあると思いますが、あちこちに生じるのは何故でしょうか?
私が昭和45〜年ころ住んでいた近くに、小田急線と南武線の交わるところがあって「登戸」と言う駅がありました。
ここでは、「のぼりと」と読むのです。
アイヌと言うと北海道の専売特許のように思っている方が多いと思いますが、関東地方には、アイヌ語に漢字を当てはめただけの地名が多数残っているのです。
例えば登戸(のぶと)という地名は、アイヌ語に漢字を当てはめたものだといわれています。
以下は、勝手な思いつきですが、そのうち漢字が一人歩きを始めて、「のぶと」を登戸(のぼりと)と読むのが定着したのではないでしょうか。
千葉の場合は、漢字を読める人が少なかったのか(・・と言うと叱られますかな?・・・)地元民が強かったのか分りませんが、アイヌ語のまま「登戸」はいまだに「のぶと」と発音しています。(よかったね)
ちなみに、アイヌ語とは関係ないかもしれませんが、観光地やよそ者が圧倒的に強い土地では、地元の読み方を無視して、(というより、アイヌ読みなどの歴史を知らないものですから)漢字読みしてしまう例は、枚挙に暇がありません。
例えば以下のとおりです
 熱海 沖合いの初島(はしま→はつしま)、箱根芦ノ湖 の湖尻(うみじり→こじり)、富士五湖の西湖(にしのうみ→さいこ)北アルプスの白馬岳(しろうま→はくば) 長野県の穂高(ほたか→ほだか)
 立山(たちやま→たてやま)」 
なお、二荒(ふたら)山の場合もよそ者が「にっこう」と読み、日光に変わった例らしいです。、
また、別の角度から考えますと、氏で言えば、沢や辺という文字が含まれている場合、(澤本、澤木、大澤,・渡邉,渡邊、澤邊など、古い澤や、邉や邊にこだわる人が多いように、漢字をあてるときに、少しでもカッコいいものをとか、大げさなものがよいという心理があるようです。
この考え方は、昔から、(風土記の時代から)見栄えの良い漢字に代えるようにお上から指示が出ていたのも参考になるでしょう。
戸と言う漢字に代えて「渡」るという漢字を使用し、それを、うちは「戸」ではなく「渡る」「と」だと主張してしているうちに「登渡り」の呼称が定着したのかもしれません。
今でも、私立高校と区別する為に市(いち)立〇○というのと同じです。
ちなみに、神社略記によると、「千葉氏の遺族、登戸権介平定胤が、祖先供養の為妙見大菩薩を奏斉して正保元年(1644)年に建立し、慶応3年(1867)登渡神社と改称した」となっていますので、渡るという意味はどこからも出て来ないのです。
前記の花見川も、今でこそ花だらけの時代ですから、堤防に花を植えてはいますが、つい最近までは、花もありませんでしたから、あて字を格好良くしただけの可能性が高いのです。
皆さんの近くにも、こうした例がありませんか?


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