01/26/03

議会制民主主義とは 1(無修正主義の問題点1)

前回のコラムで、少しでも修正するのは恥だと言う完全主義の習慣を述べました
こうした無修正主義が日本のいろいろな場面で硬直した制度を作り上げ、社会の柔軟な変化を妨げたり、或いは、不正や非効率の温床となっています。
その一として、国会の実態を見てみましょう。
国会は審議する為の制度ですが、政府や与党は、予算案や法案を修正するのは、『沽券に関わる』とばかりの了見の狭い態度ですし、野党は野党で、少しでも『修正を勝ち取る?』(と言う発想もおかしいですね)と、鬼の首でも取った様な態度ですから、国会はマトモな審議の場ではなく法案を通す為のセレモニーの場になっています。
こういう不幸な繰り返しの結果、国会では建設的な議論をする余地がなく、野党も、揚げ足取りみたいな事や、汚職の追及程度の仕事しかしていないのが実情です。
張り切るのは、宗男さんの事件や官僚の不祥事などがあった時ばかりであって、政策論争で張り切っているのはあまり聞きませんねえ。
これは野党が悪いのではなくて、政府与党が『国会は審議する為の機関である』と言う憲法上の機能を軽視しているからなのです。
政府としては、充分考え抜いた法案を提出する以上は、修正の余地がないと言う立場で、後は国会が多数決で決めてくれれば、民主主義に則っていると言う『えせ民主主議』を振りかざしている限り、野党としては、少しでも修正を勝ち取れば、鬼の首を取ったような気持ちになるのは仕方のない所でしょう。
我国は御存じのように議院内閣制ですので、政府与党の法案は、多数決にこだわっている限り、常に無修正で国会を通過するに決まっているのですから、それにも拘らず、与党が修正に応ぜざるを得なくなると言うのは、よほど民意に反した場合だけになります。
そうなると、政府与党が修正に応じると、一種の権限の濫用を自認したかの様で、大きな失点と評価されてしまいます。
この為、いよいよ無修正で国会を通過する事にこだわるようになってしまいました。
政府与党が、法案や予算案を国会に提出する前に、与党内で十分意見を吸い上げているから良いのではないかと言う考えをする人もいるでしょう。
でも、例えば55%の支持率の与党があったとして、その全体会議で、六割の支持を得て法案になった場合を考えますと、結果的に国民の33%が支持しているだけの法案が通ってしまうのです。
まして政党は、法案ごとに全体会議を開かないで、少数の族議員ないし部会で決めているのですから、国民の数%の意見が族議員と結びつく事によって、法律になってしまうのです。
族議員が専門家集団と言うなら聞こえが良いのですが、実は特定業界どころか特定企業の利益代表みたいな事をやっているのが、族議員の実態である事は鈴木宗男議員の行動で明らかになったところです。




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