01/19/03
55年体制9(完)
マスコミは、医師の法人化に対して、税金逃れ・・・と言うキャンペーンを頻りにやっていましたが、その内容は給与所得にして課税を軽減しようとするもので怪しからんと言うものでした。
同じ日の別の紙面で、サラリーマン不公平税制の訴訟を擁護するキャンペーンをしていたのですからお笑いと言うほかありません。
その擁護論は、個人に業主は経費を引けるのにサラリーマンは経費が認められないから不公平だと言う変な論法です。
その例として、サラリーマンは、背広や靴が必要だと言うのです。
個人事業主が引けるのは、サラリーマンが会社負担で使っている営業用の電話代や仕入れ代金や家賃などであって、自分の洋服代等は控除出来ない点は、サラリーマンと同じです。
それどころかサラリーマンは会社までの交通費は控除対象ですが、事業主が自宅から事業所まで行く交通費は非課税になっていないのですよ。
何故サラリーマンだけ、給与所得控除と言う格別の控除が認められている上に、洋服代や靴代を認めろと言うのか、厚かましいにも程が有ると思いませんか?
この頃は、さすがにこういうハレンチな主張は陰を潜めましたが、社会に蔓延する、個人事業主蔑視の風潮、(なんかサラリーマンは昔の武士になった感じで、植木屋さんや八百屋さんより一段自分を高く置いている態度がありありです。・・武士はせったを履くが職人ははだしで良いと言う主張かな?)サラリーマン優遇税制が、個人事業を圧迫し、現在の起業率低下に奥深い影響を及ぼしているのではないでしょうか?(今年の5月31日にも少し書きました。)
長い間、マスコミによるサラリーマン被害者論に浸って来た人が読むと、不快感を持つと思いますが、ネコも杓子もかなりのコストを払っても、個人事業主が法人化を希望する事実が、いかにサラリーマンになると各種の恩恵が大きいかを証明しているのです。
これで、55年体制のコラムは一旦終了しますが、55年体制は労使協調(馴れ合いで)労使にとって、いかに都合の良い制度を作って来たかがお分かり戴けたと思います。
この体制から弾き飛ばされた個人事業家は、いかにそのおこぼれに預かろうかと必死です。その結果、本来会社にする実益もない程零細なのに、法人化にまい進して、いまではそのへんの八百屋さん、ラーメンやさんも皆社長です。
55年体制は、本質は大企業とその従業員・官公労が上手くやるシステムですから、従業員2〜3人の事業主が、法人化など形だけ真似しても上手く行きません。
山一の社長や役員は、倒産しても多分個人保証していないので、何の個人的損失がなかったでしょう。
まさに有限責任の原理が貫徹しているのですが、個人的企業は、いかに法人化しても、必ず、個人保証を取られる仕組みですから、会社組織イコール有限責任と言う、最も重要な機能を確保出来ないのはその一例です。
却ってコストばかりかかって、法人化のメリットは殆ど受けられない仕組みになっているのです。
また、最低単位の株をぽちぽち買ったり、500万1000万のお金を預けて、わずかな配当や金利を貰って、資本家の仲間入りしたと喜んでもどうってこたあないのと同じです。
この結果、今では誰も個人事業の後継者になろうとはしませんし、まして新規起業家も滅多に生れなくなってしまったのです。
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