01/15/03

55年体制4(年金)

個人事業主は、倒産すると、破産などの倒産整理をする為には、裁判所や弁護士にいろいろな説明に行かねばならないので、すぐに再就職する事も出来ません。
また経営者と言えば聞こえが良いですが、5〜10人程度の親方になるにはそれなりに年齢が行ってる場合が多く、(大方4〜50代です。)今さら再就職と言ってもかなり絶望的なのです。
年齢だけでも大変ですが、小なりと言えども経営者ですので、現場仕事だけでなく営業から金融関係その他諸々の雑務をこなさねばならず、そうした期間を10年単位でやってしまうと、元は優秀な職人であっても、腕がさびてしまっているので、雇ってくれると所がなくなると言う実態があります。
個人経営者は、自宅を100%以上担保に取られているのが普通ですから、倒産すると家から追い出される事になります。
今時のサラリーマンは、勤務会社が倒産したとしても、自宅があって、年齢相応に一定の預金があるのが普通ですが、更に、失業保険まで支給されるのにくらべれば、その落差の大きさに驚かない人はいないでしょう。
まして山一などの大手が倒産しても、勤め人は、優先的に給与どころか退職金まで保障されているのです。
それに経営者である役員達は、どんな責任をとったのでしょう?
彼等は『雇われ人』と言う身分?ですから、自分の個人の預金を会社の倒産を防ぐ為に注ぎ込んだりしませんので、何億と言う個人資産(彼等役員は年収1億近い人が殆どですから蓄積も億になっているでしょう。)は無傷のままで、勿論、妻や親戚を保証人にしてはいません。
そのうえ、死ぬまでの高額の年金(何千万円から1億単位の報酬ですと厚生年金もさぞ高額でしょう)が保障されているのです。
厚生年金に加入出来ない個人事業主は、それまでの自宅や貯えを全部なくした挙げ句、国民年金しか老後の保障がないのです。
国民年金は、最長加入者でも月7〜8万円程度の支給ですから、倒産して自宅をなくし、預貯金もゼロからの老後人生は悲惨ですよ。
その上親戚中、友人全てに迷惑を掛けた上の倒産ですので、頼る人もいないのです。
自助努力で生命保険会社に個人年金を積立てていた場合、どうなるかについては、税制のコラムで説明します。
こうした実情を肌で体験する弁護士から見ると、経営者にこそ、倒産後一定期間の生活保障資金が必要だと言う感を強くします。
こういう悲惨な冷遇状態を約50年間続けて来た55年体制下では、個人事業主の子供でも大学へ行ける程度の能力があると、殆どサラリーマンになってしまい、後を継ぎたいと言う人は滅多に現れなくなったのです。
50年間弱も続いたので、『創造力のある・優秀な人材は涸れてしまった』と言うのが私の感想です。
いきなり中小企業頑張れ!と言っても、起業率が低いとマスコミが騒いでも、55年体制を根本から改革しない限り、起業率は低下する一方になるでしょう。
起業どころか、後を継ぐ人さえいなくなってるんですよ!
恵まれた職業と思われている開業医でさえ、どんどんなくなってますよ。
問題点は職種が時代に合わないのではなく、中小、零細企業は各種の政策上不利に扱われている事に原因があるのです。




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