01/03/03

隠居の効用

伊能忠敬が、隠居してから偉業を成し遂げましたが、水戸黄門で有名な水戸光国が大日本史を編纂するなど、隠居後に大事業を成し遂げている事例が多いのです。
政治家で言えば、有名な後白河法皇など、形式的な権力から身を引いて、自由な立場で『院政』と言う形で実権を行使する実力者がいて、いまでも『院政を敷く』と言うのが政治家の夢みたいな所があります。
高度成長期以後の我国では、会社拡大に貢献した経営者が、社長引退後も、会長や特別顧問や相談役と称して、引退したはずの会社に対する影響力行使に躍起となっている実力者が一杯いました。
高齢社会の到来と言う点から見ると、70になっても80になっても、自分が頼りにされていると言うのは、時代の最先端にあるような錯覚をする人が多いと思いますが、現役時代の職務を後進に譲れない『老害』でしかないと言うのでは情けないですね。
しかも私見によれば、その頃の実力者と言うのは、政府高官と結びついて(または天下りで)供給不足時代に企業拡張さえすれば儲かる時代に、企業拡張に貢献しただけの人が殆どでした。
本当にクリエイトな仕事で名を為した、ソニーやホンダの創業者は、会社にしがみつかなかったように思いますが、如何でしょうか?
我国の経済が、長期的に停滞している大きな原因は、このように、従来の権力や地位を維持拡大行使する為の隠居が、大手企業の殆どで一般的に行われていたからではないでしょうか?
このような、自己保身の為の引退ではなく、60歳くらいを境に、従来の仕事からすっぱり手を切って、伊能忠敬のような生き方が出来ればいいですね。
どう言う人がいるかについて、今すぐには思い出せませんが、こうした生活や社会的地位を考えず、無心に挑戦する事によって、現役の人が思い付かないような、自由な発想で、長期的に人類の発展に役立つ研究や、産業の芽を発掘する人が、結構いるように思います。
一定の目標に向かって、まい進する研究所の研究とは別ルートで、遊び心で、いろいろやる余裕から、うまれる工夫や発明の芽に私は期待したいのです。
江戸時代には、奇想天外な思いつきを面白がったりして大枚(小判)をはたいて買い求める余裕のあるお大尽が結構いた様です。
今は、そう言う経済的余裕のある人が生れない税法上の仕組みですから、遊び心に対するスポンサーが生まれ難いとは思います。
その代わり、ひとりひとりが、隠居後も経済的余裕がある時代ですから、(老人がお金を抱えているから若い者に移転させようとして政府は贈与税を軽減する事になっています。)一定の年になったら、あくせくせず、遊び心をみんなで大切にする社会にしたいものです。
まなじりを決して研究するよりも、日本再生の早道かも?




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